ネットというバリアフリー
「最近の若者はダメだ」と口癖のように言う人がいる。人の目を見て話が出来ないだとか、ずっとスマホを触っているだとかそう言う人間はダメだという考え方があるらしい。しかし本当にそれはダメなことなのだろうか。
人と会話するのが苦手な人はいつの時代にだっていただろう。そういう人が出世できないような社会になっているから、昔は淘汰されるか、努力して会話出来るようになるかの二択しかなかったのかもしれない。
近年ネットやSNSが新たなコミュニケーションツールとして登場し、そこは会話するのが苦手な人にとってのオアシスだ。そしてオアシスがあると一部の人は努力しなくなるから、会話への苦手意識が加速するのかもしれない。そういう意味ではネットやSNSは人をダメにしている、と言えるかもしれない。
しかし苦手なこと、できないことを無理やりやらせるのが本当に良いことだとは限らない。それは足腰の弱い人、足の不自由な人に無理やり階段を上らせてるのと同じである。それが良くないと考えたから、スロープがあるはずだ。ネットやSNSはいわばバリアフリーの一種である。人と会話出来ず、自分の世界に引きこもりがちな人間でも何かを発信し、また受信できるようになったのである。
会話が苦手な人がダメなのではない、社会がそういう人の活躍の機会を奪っている。これからネット世代が社会を作っていけば、意識も変わって来るのではないだろうか。